派遣エンジニアのデメリットは社会的な信用が低い|年収や将来性

近年IT業界では、正社員ではなくあえて派遣SEやフリーランスを選択する人が増加傾向にあります。

  • 「派遣やフリーランスなど、正社員以外の働き方て実際にはどうなの?」
  • 「派遣は自由度が高いと聞くけど、その代わりにどのようなデメリットがあるの?」
  • 「現在のスキルで転向したら、派遣の年収はいくらになるだろうか?」
  • 「派遣は、定年まで安定して働くことができるだろうか?」

IT業界で派遣の求人やSE数は増加傾向にあります。なぜならば、定時に帰宅できるのでワークライフバランスが充実できる、時給が高く短期間でも高収入を実現しやすい働き方だからです。

しかしながら、派遣SEはデメリットがあるため、万人向けする働き方ではありません。

そのため、十分に事前準備をしないまま派遣を選択し、後悔する人もたくさんいます。ここでは、派遣SEを目指している人のために派遣のデメリットを詳しく紹介します。

派遣SEを考えている人向け
  1. 派遣エンジニアのデメリットとメリット
  2. 派遣エンジニア(PG、SE、PM、テスター)の具体的な年収
  3. 派遣エンジニアの現状と今後の動向、将来性は?
  4. 派遣エンジニアが向いている人

派遣エンジニアの3つのデメリット

参考:ー『エン派遣』ユーザーアンケート集計結果ー

上記の図は、エンジャパン(派遣会社)のアンケート結果の回答になります。回答者数は現役の派遣社員2539人から得ています。(※派遣SEの調査結果でないことに注意してください

デメリット1:交通費・賞与が支給されない

アンケート結果の1位と2位は、交通費と賞与が支給されないことです。

派遣SEを選択する際に注意しなければならないのは、正社員で得られる交通費や賞与と比較して、年間でいくら支給されるか正確に計算する事です。

なぜならば、派遣SEの特徴は給与が高いけれど、雇用が安定しないデメリットがあるからです。給与が正社員時代よりも低いならば、派遣を選択するメリットが薄れます。

そのため、次の2つを正確に計算しましょう。

  1. 派遣で働いた場合に、年間で得られる総支給額
  2. 正社員の総支給額を労働時間で割り、現在の給与の時間給

システムエンジニア専門の派遣会社では、交通費や有給休暇を付与してくれる企業が増えています。そのため、派遣会社を選択する際には、条件が良いところを選択したいですね。

1日1000円の交通費でも1ヶ月に換算したら2万円、1日の有給休暇は時給3千円なら2万4千円の価値があります。

デメリット2:3年以上の長期勤務ができない

3位は「気に入った職場でも長期勤務できない場合がある」です。

2015年に施行された派遣法改正により、ひとつの職場で働く上限が3年に設定されました。これにより、3年勤めたら別の新しい職場を探すか、もしくは正社員として働くことになります。

ITの開発現場でひとつの職場に3年も在籍するケースは稀です。長期で契約している人材ならば契約を更新したいと思われているので、正社員として採用してくれる可能性は高いですね。

ただし、専門職で派遣を選択する人たちは、煩わしい人間関係から解放されたい、残業なしで高収入を得たいと考えているので、正社員になることを躊躇しますよね。

条件に納得できなければ、次の新しい職場を探すことになります。

ひとつの職場で上限が3年というのは、大きなデメリットですね。

デメリット3:社会的な身分・信用が弱い

4位は「社会的な身分、信用が弱い」です。

社会的信用が低いとは、住宅ローンの審査や賃貸契約の入居条件が厳しくなることです。正社員至上主義の日本社会では、社会的信用が低下するのは避けられません。

社会的な信用力が低下するのは、派遣、フリーランス、個人事業主などの自営業に共通する問題です。

近々結婚してマイホームの購入を検討している人は、正社員として働き続けることを選択した方が良いですね。

参考:社会的な信用が低い対策|派遣SEやフリーランスを目指す人向け

派遣エンジニアの3つのメリット

参考:ー『エン派遣』ユーザーアンケート集計結果ー

では、派遣で働いている人たちが感じているメリットは何か見ていきましょう。

メリット1:勤務地、曜日、勤務時間など自由に選べる

派遣SEを選択する最大のメリットは、柔軟な働き方を選択できることですね。正社員で働く人の2倍以上が、ワークライフバランス(定時に帰宅できる)に満足しています。

参考:ー『エン派遣』ユーザーアンケート集計結果ー

正社員SEのデメリットは、長時間労働に陥り家族や自分の時間を犠牲にしてしまうことですよね。クライアントの納期を守ることが最重要課題で、私たちSEは大きな責任を抱えています。

派遣SEは、プロジェクトの成否に責任を持つわけではありません。

そのため、基本的に残業はなく、残業しても契約で上限が決められています。また、残業代も全額支給されるので無料で奉仕することもありません。

メリット2:仕事内容を選べる(キャリアを作りやすい)

意外と思う人は多いですが、実は専門職の派遣SEはキャリアを作りやすい利点もあります。

なぜならば、正社員はプロジェクトを選択できないが、派遣SEは自由に選べるからです。もちろん、時期や紹介されるSEのスキルにも寄りますが。

IT業界では客先常駐が一般化し、常駐SEの大半は運用保守やドキュメント作成、環境構築などの雑用業務でしか働けないリスクがあります。わたしは過去に3年間常駐SEとして働きましたが、転職市場で評価される仕事はできませんでした。

これは、専門職としてはあまりにも大きなリスクですよね。

派遣SEはプロジェクトごとに自由に選択できるので、確実にキャリアを積むことができます。現在IT業界は人材不足なので、契約先が見つからないことはありません。

参考:客先常駐と派遣の違い|月の収入が18万円も変わる意外な事実とは

メリット3:派遣SEの給与は高い

参考:アルバイトの時給動向をグラフ化してみる

アンケート結果の3位は「パートやアルバイトより給与が高い」でした。このアンケート結果は、専門職ではない派遣の調査になります。

専門職である派遣SEの給与は、通常のパートやアルバイトよりも2〜3倍以上給与は高いですね。

日本の労働市場は深刻な人材不足に陥っているため、短期雇用の時給は上昇しています。そのなかでも特に伸び率が高いのは、専門職であるIT業界の派遣SEですね。

経済産業省の調査によると、ITエンジニアは2030年には57万人が不足すると言われています。転職会社のDODAによると転職有効求人倍率は6.15倍(全業種は2.36倍)まで増加しています。

そのため、派遣SEの給与は過去にないほど高騰しています。

では、派遣として働いた場合に実際に給与がどれくらいになるか見てみましょう。

派遣エンジニアの年収(PG、SE、PM、テスター)

「ソフトウェアジョブズ」という派遣会社の求人を紹介しています。

ソフトウェアジョブズは、健康診断や社会保険料の負担、交通費や有給を支給するなど、正社員と同等の待遇を目指しています。紹介される案件の報酬は、月給35〜45万円のレンジが41%と最も多いですね。

プログラマー:2600円(年収500万円〜)

応募資格
  • 必須:テスト自動化の経験、Java・C#・PHPのいずれかの開発経験
  • 尚可:Webシステム(サイト)の開発経験、CIツール(Jenkins等)の使用経験、開発環境構築経験、Selenium使用経験、Geb使用経験

月収例:この案件は、残業20時間~30時間を想定しており、月収は月20日稼動、残業25時間として48万1000円と想定しております。

プログラミングができ開発経験があるエンジニアであれば、時給2500円以上の案件で働けます。

時給2600円だと月給換算(1日8時間週5日勤務)で41万6千円ですね。ただし、交通費や有給が使えるかどうかは事前に確認しておきましょう。

システムエンジニア:3000円(年収576万円〜)

仕事内容
  • 弊社グループの開発会社内にて、情報管理アプリの開発をご担当いただきます。言語はAndroidJava、Swift(Objective-Cでも可)となり、開発ツールはXcodeを用います。

システムエンジニアでサイトを検索すると上記の案件が見つかります。

システムエンジニアとしてプロジェクトに参画する場合は、要件定義や基本設計も担当する可能性が高いですね。そのため、プログラマーの案件よりも時給は高くなります。

プロジェクトマネージャー:3500円(年収672万円〜)

仕事内容
  • 大手SIerにて、複数のプロジェクトの品質管理における支援業務をご担当いただきます。具体的には要件定義書・基本設計書をベースにテスト設計を行ったり、先方内に後から参画した第三者がどの程度テスト設計が出来るのかを検証、判断いただくなど、多岐にわたる業務を行っていただきます。
  • 必須:品質管理業務経験、PMO経験 、プロジェクト管理経験などがある方、テスト設計スキルを保有

月収例:この案件は、残業20時間~30時間を想定しており、月収は月20日稼動、残業25時間として64万7500円と想定しております。

PM案件になると残業代付きの月給は64万円を超え、年収は750万円を超えます。

ただし、必須条件にはプロジェクト管理経験とあるので、該当する人材は少ないですよね。

テスター:1900円(年収364万円〜)

仕事内容
  • 大手店舗予約Webサイトのテストケース作成から実施までの業務をご担当いただきます。管理者の指示のもと、開発担当のテストケースを参照いただき、過不足がないかを確認、不足があれば作成いただき、テストの実行、不具合起票などを行っていただきます。

派遣の案件であれば、テストケースを作成するような比較的に楽な仕事でも時給は高いです。

その理由は、客先常駐と違い派遣は中間業者やブラック企業に摂取されないからですね。

テスター要員として客先に常駐すると、月に80時間以上残業し残業代は支給されません。月給は20万円、手取りで18万円が相場です。月給を労働時間で割ると1000円前後ですね。

派遣は毎日定時に帰宅できる上に時給は1900円なので、労働条件は客先常駐よりも2倍良いです。

客先常駐で働いてる人は、自分がいま働いている仕事が派遣だといくらになるか調べてみましょう。大きく割り込むようであれば、派遣SEを選択肢に入れた方が良いですね。

派遣エンジニアの現状と今後の動向は?

参考:非正規雇用の割合は37.3%と高水準

派遣やパートを含む非正規社員の数は増加傾向にあります。平成14年に非正規社員が全体の4割を占めると話題になりましたね。

では、現在の派遣エンジニアの現状と今後の動向を考えてみましょう。

現状1:非正規社員が全体の4割を占める時代

非正規社員は、社会保障が充実していないなど、税制面でも損をする事が多いですね。

しかならがら、労働者全体の4割が非正規を占めるとどうなるでしょうか?

現代社会では民主主義が中心ですね、非正規の数が多くなると次第に市民権を得るようになります。すると、社会保障などの法整備も待遇も改善されます。

実際にエンジニア専門の紹介会社では、派遣やフリーランスでも社会保障制度や健康保険、有給休暇を保障するなど正社員並みの待遇を目指すところが増えています。

その理由は、人材を募集しても人が集まらず、派遣の待遇を上げることで必要な人材を確保しなければならないからです。今後もエンジニアの数は大幅に不足するので、さらに条件は良くなりますね。

現状2:派遣SEとフリーランスは増加する

IT業界で、派遣SEとフリーランスの数は増加傾向にあります。

中間業者に摂取されている常駐SEが、大量に派遣やフリーランスに流れているからですね。常駐SEは中間業者に摂取されているため、長時間労働、低賃金など劣悪な労働環境で働くSEがたくさんいます。

同じような仕事をしているにも関わらず、時給換算で収入は倍違います。そのため、世間の風潮に流されずに損得勘定ができる人は、すぐに就労できる派遣を目指します。

派遣SEか、もしくは社内開発できる企業の正社員を選択するかは難しい問題ですが、客先常駐であれば選択の余地はありません。

参考:客先常駐と派遣の違い|月の収入が18万円も変わる意外な事実とは

現状3:副業と派遣は相性が良い

副業解禁により、本格的に副業を始める社会人が増えています。

副業している人にとって、定時に帰宅できる派遣は相性が良いですよね。副業を成功させるために必要なのは作業時間だからです。正社員だと定時に帰宅するのは難しいですね。

正社員の責任から解放され、副業に使える時間が増える事で効率よく収入を増やせます。

派遣は雇用が安定しないのが最大のデメリットだが、副業を組み合わせる事で生活が安定します。副業で20万円の収入があれば、契約期間以外でも安心して生活できますね。

現状4:優秀なSEほどネックになるのが3年縛り

2015年の法改正で3年縛りが制定されました。2018年の夏にちょうどその3年が経過します。

3年縛りは優秀なSEほどネックになります。なぜならば、契約先の企業側はエンジニアを確保するのが難しい時代なので、契約期間を延長して繋ぎ止めたいからです(専門職以外の代替可能な派遣なら問題になりません)。

現状の制度であれば、正社員に登用しない限りSEを手放すことになりますね。

優秀なSEであれば正社員雇用を打診されますが、給料が下がることに躊躇するSEの方が多いです。

3年縛りは、派遣会社、契約先の企業、エンジニアが損をするので、今後廃止が検討される可能性はあります。

派遣エンジニアの将来性は?

派遣の最大のデメリットは雇用が安定しないことですよね。

では、派遣の将来性はどうなのでしょうか?

将来性1:将来の雇用は不安定

派遣SEを検討するときに必ず周囲から言われる言葉です。

派遣の将来は安定していない」ですね。

これは、長期雇用を前提とした正社員と比較すると、将来が安定しないのは避けられません。

しかしながら、ここでひとつ言いたいことがあります。技術職を選択した以上は将来が安定するかどうかはその人材次第ですよね。正社員は安定していると言われていますが、同僚の社員SEをみていると疑問に思うことの方が多いです。

なぜならば、会社の外に出ても生きていける人材は全体の4割もいないからです。

企業の平均寿命が23年と言われる現代社会では、ひとりでも食べていけるだけの技術やスキルを磨く事が1番のリスク回避になります。ぶっちゃけ、変化が激しいIT業界では、10年後も勤めている会社が存続している可能性は高くないですよね。

正社員というポジションに甘えるよりも、クライアントと直接契約する派遣の方が優秀な人材は多いです。

将来性2:定年まで働き続けるのは難しい

しかしながら、派遣で定年まで働き続けるのは難しいのも事実です。

要件定義やマネジメントができる人材であれば50代でも仕事はあります。しかし、40代や50代を過ぎても仕事がある人材の方が少数派ですね。

派遣やフリーランスで働くのであれば、長くても40代前半までと考えた方が良いですね。

それ以降は、キャリアを活かして正社員の道へ進むか、IT関連で独立や起業、もしくは副業を活かして新しくビジネスを始める人が多いです。

将来設計をしっかりと考えた上で、慎重に選択した方がいいですね。

派遣が向いている人の特徴

派遣が向いている人の特徴
  1. ワークライフバランスを充実させたい人
  2. 安定よりも、高収入で働きたい人
  3. 本業以外に別の収入がある人
  4. 家事や育児など定時に帰宅する理由がある人

派遣SEのメリットやデメリットを考慮すると、派遣に向いている人物像が見えてきます。

派遣SEは雇用が安定していない大きなデメリットがあります。けれども、ワークライフバランスを充実させたい、短期間で高収入を実現したい人には、魅力的で最適な働き方です。

派遣を選ぶ人は自由な働き方を実現したい人が多いため、より自由度が高いフリーランスに転向します。(フリーランスは確定申告などハードルが高いので、まずは派遣SEを目指す)

もしも私が20代でこの業界に入るならば、間違いなく派遣を選択します。なぜならば、定時に帰宅できる利点を生かして、収入源を複数確保することに力を入れたいからです。

政府から副業が推奨されたことからもわかるように、複数の収入源を持つことは必須スキルです。専門職を選んだからといって安泰ではないですよね。

私は現在サラリーマンSEとして働きながら月に10万円の副収入を得ています。しかし、正社員を働きながら稼げるようになるのはとても大変でした。派遣ならばもっと楽にたくさんのお金を稼いでいると思います。

まとめ:派遣エンジニアのデメリット

派遣を選択するデメリット
  1. 交通費・賞与が支給されない
  2. 3年以上の長期勤務ができない
  3. 社会的な身分・信用が低い

派遣にはこのような大きなデメリットがあります。そのため、派遣を選択する際には十分に考慮した上で選択したいですね。

個人的には、派遣で働くか正社員を選択するかはこのように考えています。

客先常駐で働いているならば、社内開発できる企業の正社員を目指します。社内開発で働けるのであれば、残業時間は自分でコントロールできるし、定年まで働ける環境があるからですまた、給与も派遣ほどではないですが悪くはありません。

ただし、次のような特別な理由がある場合は、正社員ではなく派遣SEを検討します。

  1. 副業に集中する時間を増やしたい
  2. 家事や育児など定時に帰宅する理由がある
  3. ワークライフバランスを重視している
  4. 正社員のプレッシャー(納期、売上げ、マネジメント)から解放されたい

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