派遣エンジニアと正社員の比較|派遣は給与が高いが雇用が安定しない

正社員を辞めて、派遣として働き始める人が増えています。しかしながら正社員と比較して、派遣はまだまだ未知数な働き方ですよね。

  • 「正社員と派遣の働き方は、具体的に何が違うのだろうか?」
  • 「正社員よりも派遣を選択した方が良い人、または選択しない方が良い人は?」
  • 「正社員と比較した場合の派遣の給与や将来性はどうなの?」

正社員を選択するか、それとも派遣SEを選択するかは、単純に優劣の問題ではなく本人の志向性や、人生で何を重視したいかによって変わります。

正社員を志向する人は安定志向が強く組織で貢献したい人ですね。反対に派遣SEを志向する人は、競争社会に身を置き自分自身を成長させたい自由なライフスタイルを実現したい人が選択します。また、正社員よりも個人主義の人が多いのが特徴ですね。

終身雇用がない現代社会では、自由なライフスタイルを志向する若者が増えています。特定の企業に依存して生きることがリスクだと考える人が増えているからです。

ここでは、正社員と比較した派遣SEのメリットやデメリット、それから派遣が向いている人の特徴について紹介します。

派遣で働きたい人向け
  1. 派遣SEと正社員の比較(給与、メリット、将来性
  2. 派遣SEを選択する人が増えている理由
  3. 派遣SEが向いている人、正社員が向いている人の特徴

派遣SEと正社員の具体的な違いとは?

参考:『エン派遣』三大都市圏の募集時平均時給レポート

派遣会社のエンジャパンの調査結果によると、2016年3月度の派遣の平均時給は1568円です。これは、2013年12月から28ヶ月連続で前年同月比プラスを更新しています。

なかでも、IT系の職種は過去最高の2061円(2.5%増)を更新するなど、全業種のなかで最も時給が高く伸び率も大きいです。

では、正社員と派遣SEの違いには何があるのか、具体的に見ていきましょう。

ここでいう正社員ですが、IT企業で社内開発で働く正社員に限定しています。特定派遣や偽装請負で常駐しているSEは、正社員といえる待遇ではないので別の職業として扱っています。

客先常駐の正社員と派遣SEを比較したい人は、こちらの記事を参考にしてください。

参考:客先常駐と派遣の違い|月の収入が18万円も変わる意外な事実とは

正社員と派遣SEの比較表(給与、メリット、将来性等)

雇用形態 正社員(社内開発) 派遣SE
給与(30歳前後)
  • 年収:450〜550万円
  • 月給:30〜35万円
  • 賞与:50〜80万円
  • 年収:384〜660万円
  • 月給:28〜55万円
  • 時給:2千円〜3千円
  • 賞与:なし
労働時間 納期や厳しいと労働時間は際限なく伸びる。月の残業は20〜80時間。残業代の支給は企業による。 労働時間は契約内容によって変わる。大半は残業なし、残業したら全額支給される。
メリット
  • 社会的に信用が高く、定年まで働きやすい環境がある
  • 社会保障など税制面で安心
  • 賞与や交通費が支給される
  • 先輩社員が仕事を教えてくれる
  • 上流工程やマネジメントを経験できる
  • 毎日定時に退社できる
  • 残業代が全額支給される
  • プロジェクトを自由に選択できる
  • 月給は正社員よりも確実に高い
  • 仕事内容を選べるため、キャリアを作りやすい
  • キャリアを積んだら、独立か正社員へ戻る道を選択する
デメリット
  • 精神的なプレッシャー(納期、スケジュール、責任)が大きい
  • スケジュールがタイトだと、残業時間が増える
  • 人間関係が煩わしいと感じる
  • 給与は技術力やスキルよりも、人格や熱意、貢献度が考慮される
  • プロジェクトを自由に選択する権限がない
  • 炎上案件に投入されるリスクがある
  • 業績が良くても給与に反映されにくい
  • 雇用が安定していない
  • 給与は景気に大きく左右される
  • 定年まで働き続けるのが難しい
  • 同僚を持つことがなく、常に孤独である
  • 社会的な信用力が低下する
  • ひとつの職場で働けるのは最長で3年間
将来性
  • 定年まで働くことを前提にしている
  • 制度的には安定しているが、能力的には安定していない人が多い(リストラや倒産に弱い
  • 短期雇用のため、安定はしていない
  • 派遣SEを続けるのは、長くても40歳前半までと考えた方が良い
  • 制度的には不安定だが、能力やスキルでは安定している人が多い(副業する人も多く稼ぐ能力は高い
向いている人
  • 社会的な信用力がないと困る(マイホームを購入したい人)
  • ひとつの職場で長く勤めたい
  • 個人よりも組織で考えるのが好き
  • 上流工程やマネジメントの経験を積みたい
  • 自由なライフスタイルを選択したい
  • 定時に帰りたい、無料で奉仕したくない
  • 本業以外で収入源を作りたい
  • 将来は独立(フリーランスや事業化)を考えている
  • 家事や育児がある人

両者の特徴を比較してわかる事は、安定思考が強い人は素直に正社員を目指した方が良いですよね。

派遣に転向し最大のデメリットは、社会的な信用力が低下することです。信用力が低下すると、住宅ローンの審査が通らない可能性が高くなります。

信用力が低下することの弊害や対策方法について、詳しく知りたい人はこちらの記事を参照してください。

参考:社会的な信用が低い対策|派遣SEやフリーランスを目指す人向け

派遣SEを選択する人が増えている理由

派遣を選択することで様々なデメリットがありますね。

ただし、それでも正社員を辞めて派遣を選択する人が増えているのは事実です。なぜならば、正社員でいることにメリットを感じてない人が増えているからですね。

正社員は安定しているのは間違いないですが、それでも終身雇用が崩壊し以前よりも影響力が落ちているのは間違いありません。また、プロジェクト単位で動くSE職は、本来は派遣やフリーランスのような有期契約の方が相性が良いですよね。

  • 「社内の年功序列や人間関係が煩わしいと感じている」
  • 「派遣だと賞与が支給されないが、月給は1.5倍、時間給は2倍になる」
  • 「馬が合わない上司と客先の間に立たされて、精神的に疲れる」
  • 「納期やスケジュールなど、責任が重くプレッシャーを感じている」
  • 「部下をマネジメントするようになり、ストレスが溜まる」
  • 「労働時間が増えると、自分の時間が確保できない」
  • 「能力やスキルよりも、人格や人間関係、貢献度(売上以外)、勤続年数が給与に反映される」
  • 「長期休暇と言われる連休でも、1週間しか与えられない」

このような不満を抱えている正社員にとって、自由なライフスタイルを実現できる派遣は魅力にみえます。

派遣は精神的なプレッシャーから完全に解放され、定時に帰宅できるのが最大のメリットですね。合わない職場であれば、自分の意思で契約を更新しなければ良いだけなので気は楽です。

能力やスキルがある人材であれば、時給3000円(月給48万円、月給576万円)で契約も可能です。

派遣に転向した場合に、得られる年収を詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。

参考:派遣エンジニアのデメリットは社会的な信用が低い|年収や将来性

しかしながら、派遣は万人向けする働き方ではありません。

正社員、派遣SE、どちらを選択するにしても、自分の志向に合うかを基準に選択するべきです。

派遣SEが向いている人の特徴は?

正社員から派遣SEに転向するのであれば、次の人たちにお勧めです。

派遣SEが向いている人の特徴
  1. 自由なライフスタイルを実現したい
  2. 定時に帰りたい、無料で奉仕活動したくない
  3. 本業以外で収入源を作りたい
  4. 将来は独立(フリーランスや事業化)して働きたい

特徴1:自由なライフスタイルを選択したい

派遣を選択するSEは、自由なライフスタイルを実現したい人たちが多いです。自由なライフスタイルは、ネット中心である現代社会では最も時代に合った働き方ですよね。

自由なライフスタイルとは、

  • 「本業以外でもスモールビジネスを始めて月に20万円稼ぎたい」
  • 「職場の仕事以外に、WEBサイトやスマホアプリなど独自のサービスを開発したい
  • 「社内開発や常駐案件だけではなく、在宅勤務にも挑戦したい
  • 「語学を習得する時間を確保して、海外勤務に挑戦したい
  • 「ネットだけの通信大学で、経済学やビジネスの勉強がしたい
  • 「将来は海外に長期滞在し、リモートワークだけで仕事をしたい」

正社員として働くと、自分の時間を確保するのが難しいためできることが制限されます。また、会社のため以外に労力を費やすことを批判的にみる人もいますよね。(ダブルワークや個人主義がなぜか批判されます

政府によって副業が解禁されましたが、副業のために定時に帰宅できる環境ではありません。

特徴2:定時に帰りたい、無料で奉仕活動したくない

企業にもよりますが、労働時間が長くサービス残業を強要する企業も少なくありません。IT開発現場では予定通りに作業が進む事は稀で、その責任は全て正社員に押し付けられるのが実情です。

終身雇用ではない現代では、定時以降にも会社のために働くことは大きなリスクになります。

定時に帰宅したい理由は、のんびりと自宅で過ごしたいだけが理由ではないですよね。

  • 「プログラミングスクールで、新しい言語の習得がしたい」
  • 「平日でも、自由に知人と食事やお酒を飲む機会が欲しい」
  • 「英語を勉強するための時間を、平日にも確保したい」
  • 「もっと、ビジネス書関連の本をたくさん読みたい」
  • 「もっと、副業のために時間を使いたい」
  • 「技術セミナーやフォーラムに、平日にも参加したい」

人生でやりたいことがたくさんある人ほど、会社員でいる事にストレスを感じます。

特徴3:本業以外で収入源を作りたい

不安定な時代を生きる上で、収入源を複数作ることは最も重要なことです。

ひとりでゼロからビジネスを立ち上げ、副業でお金を稼ぐのは並大抵の努力では実現できません。例えば、毎日副業のために2〜3時間確保し1年間継続しても、月に2万円も稼げたら大成功と言えるほど難易度は高いです。

会社員だと平日に自由に使える時間は限られていますよね。

月に2万円を稼ぐために3年以上掛かるかもしれません。スポーツジムや英会話など、社会人が習い事を継続できない最大の理由は、仕事が忙しくなるリスクが常にあるからです。

派遣であれば労働時間を自分でコントロールできます。基本は毎日定時に帰宅できるし、派遣会社や契約先との交渉次第では、週3、4日なども可能です。

本業以外で最低限の収入が得られれば、2〜3ヶ月海外に滞在することも可能です。

特徴4:将来は独立(フリーランスや事業化)して働きたい

フリーランスや事業化など、将来独立を目指している人にも派遣は向いています。

正社員の恩恵を得るためには、定年まで働き続けなくてはいけません。なぜならば、若い内は損をしても年齢を重ねたら得をするように設計しているからです。

しかし、定年まで働かない人にとっては損ですよね。

私たち正社員が外資系や派遣SEの高収入に驚く理由は、定年退職を前提に給与設定されていないからです。

そのため、生涯会社員で働かない人は、素直に現在の適正価格を得たほうが良いですよね。会社員だと20代で月給20万円台ですが、派遣だと30〜40万円台になります。

正社員が向いている人の特徴は?

では、派遣よりも正社員で働いた人が良い人の特徴を見ていきましょう。

特徴1:社会的信用が低いと困る人

正社員を辞めることで最大のデメリットは、社会的な信用が低くなることですね。

社会的な信用が低いと、住宅ローンの借り入れが難しくなります。近い将来、結婚してマイホームを購入する予定がある人は、正社員で働き続けた方が良いですね。

現在の待遇に不満があるならば、同業種内で転職するのが正しい判断です。

特徴2:ひとつの職場で安定して長く勤めたい

競争社会に身を投じるよりも、ひとつの職場で長く働きたい人も正社員向きです。

競争志向が強いか、安定志向が強いかはその人の性格で差がでます。安定志向が強い人はひとつの職場で働き続けた方がストレスは少ないですよね。

IT業界は常駐案件が多く正社員でも職場が変わりやすいので、ひとつの場所で勤め続けたい人は異業種の社内SEが理想ですよね。

定年まで安定して働ける上に、大手企業並みに高待遇が期待できます。

参考:社内SEに転職したい|年収や待遇、入社後のデメリットや失敗談まで

特徴3:個人よりも組織で考えるのが好きだ

個人主義ではなく、組織に貢献することを第一に考える人も正社員向きです。

組織で勤めていると人間関係が煩わしいのは確かですが、組織内での出世競争や派閥争い、世間話が好きな人は多いですよね。そういう人は組織で働いた方が力を発揮できます。

派遣で働くと気が楽ですが、同僚と呼べる人はいないので孤独を感じます。

特徴4:マネジメントなど部下の管理をしたい人

マネジメント経験が積みたい人も正社員が向きです。

20代後半、30代前半と年齢を重ねていくと、徐々に後輩や部下の管理を任されます。マネジメントはストレスが溜まるのも事実ですが、社内のリソースをうまく使うと少ない労力で大きなパフォーマンスを発揮できます。

マネジメントが評価されると、会社への貢献度が上がるので給料も大きく増えます。

まとめ:派遣エンジニアと正社員の比較

派遣SEが向いている人の特徴
  1. 自由なライフスタイルを実現したい
  2. 定時に帰りたい、無料で奉仕活動したくない
  3. 本業以外で収入源を作りたい
  4. 将来は独立(フリーランスや事業化)して働きたい

正社員を選択するか、それとも派遣SEを選択するかは、単純に優劣の問題ではなく本人の志向性や、人生で何を重視したいかによって変わりますね。

派遣SEを志向する人は、競争社会に身を置き自分自身を成長したい、そして自由なライフスタイルを実現したい人が選択します。

個人的な感想ですが、今後も派遣SEやフリーランスを選択する人は増えると思っています。

なぜならば、自由なライフスタイルを実現しやすい派遣やフリーランスは、ネット中心の現代社会に最も適しているからです。また、IT業界の仕事はプロジェクト単位で動くので、正社員よりもフリーランスと相性が良いですよね。

プロジェクト単位で給与を得た方が、得られる収入も増えます。プロジェクトがひとつ終わる度に長期の休暇を得られるので、プロフェッショナルな人材ほど得をしますね。

そもそも、技術職であるSEを無理に正社員制度に割り当てる方が難しいように感じます。

安定志向が強い人は正社員が向いていると述べましたが、率直に言うと安定を求める人は技術職に向いていないとも言えます。

終身雇用がない現代社会で安定を求めるならば、複数の収入源を持ち能力やスキルを最大化することを考えた方が正解ですね。

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